
なめらかな口どけが大きな魅力のひとつである、バウムクーヘン。
この魅力的な食感を引き出すため、ユーハイムでは「別立て法」という方法を使っています。
「別立て法」とは、卵を卵黄と卵白に分けて別々に泡立てる方法です。
まず、バターに卵黄と砂糖を加えて攪拌し、バター生地を作ります。卵黄の乳化作用でバターを混ぜ合わせやすくします。「乳化」とは、水と油が混ざり合った状態。バターが他の材料とひとつにまとまることで、口どけの良い食感がつくられるのです。
卵白は、砂糖を加え泡立ててメレンゲを作ります。卵白の起泡性が生地をふんわりと焼きあげてくれます。
最後にこれらを合わせ、小麦粉と小麦澱粉を少しずつ加えながらさっくりと混ぜ合わせることによって、きめの細かい生地となり、なめらかな食感が生まれるのです。
このように卵の持っている力を最大限に活用しているため、非常に手間がかかるうえ、一度に大量に作ることができません。もっと簡単にするには乳化剤などの添加物を使う方法があります。しかし、ユーハイムではこうした添加物を使っていません。合成して作られた乳化剤は、自然の風味を損なうと考えているからです。
創始者ユーハイム夫妻の「体のためになるから美味しい」というお菓子づくりの姿勢に基づき、ユーハイムのおいしさは、別立て法などの職人の技術と純正自然の材料のなかから作られています。
低水分の冬バターから
自然のおいしさが生まれます。
純正自然のおいしさを追求しているユーハイムのお菓子づくりは、材料選びから始まります。 中でもとりわけ厳しく選んでいるのがバターです。
北海道の牛乳を原料として、メタルチャーンという日本では数少ない機械で作られているものを使用しているのです。製造に時間がかかりますが、良質の低水分バターとなり、ほかのバターに比べて“コシのある"味が特長です。水分が14.5%以下(通常のバターでは15.9〜16.5%)である低水分バターは、パイを焼くと層の浮きがよいなど、製菓に適しているのです。(ちなみにユーハイム規格のバターは、水分が14%以下)
さて、皆さんはバターは季節によって違いがあることをご存知ですか? 野菜や果物と同じように、バターなどの乳製品にも“旬"があるのです。そう、原料となる牛乳に、季節による違いがあるからです。
ユーハイムでは、10月から5月にかけて作られる「冬バター」を採用しています。牛が夏に青草を食べて出す乳で作るバターよりも、冬に干し草を食べて出す乳で作ったバターの方が、青臭さがなく、色もより白いものとなります。
たとえばフランクフルタークランツのあの純白のバタークリームは、こうした冬バターから生まれたものなのです。
お菓子の焼き上がりにふわぁ〜っと広がるバターの香り。
バターの焼ける匂いほど素敵な香りはありません。その源は熱を加えると芳香する揮発性脂肪酸。口の中の温度でも揮発するためおいしさを口いっぱいに広げます。これは他の素材にはないバターならではの特性です。
ビスケットのサクサク感やスポンジ生地のしっとり感。この素敵な食感を作るのもバターです。バターの持つショートニング性により小麦粉が粘り気のあるグルテンになることを阻止し、サクサクの生地に仕上げます。また、形を自由に変える可塑性により薄く伸びてパイの層を作ったり、空気を抱き込むクリーミング性で、ふっくらとした生地に焼き上げたりします。おいしいお菓子を作るためにバターは欠かせない素材なのです。
バターがどのようにして作られるか、ご存知でしょうか?
まず、原料である生乳を遠心分離機にかけて、“クリーム”と“脱脂乳”に分離させます。分離させたクリームを加熱と冷却を繰り返して調整し、バターミルクとバター粒に分けます。そして、集めたバター粒を十分に練り合わせて完成。この時によく練ることによって、バター中の水分を細かく分散させ、なめらかなバターに仕上げます。
日本ではクセのない非発酵バターが主流ですが、ヨーロッパでは発酵バターがほとんど。前述の“クリーム”の段階で乳酸菌を加えて発酵させた発酵バターは、クリームチーズのようなコクと深みのある味わいが特徴です。ユーハイムではお菓子によって使い分けをしています。
また、塩を加えるかどうかで有塩バターと無塩バターに分類されますが、ユーハイムが使っているのは無塩バターです。微妙な塩加減をあとから調整するためです。
とはいえ、ご家庭ではマーガリンを使っている方が多いのではないでしょうか。19世紀後半にバターの代用品としてフランスで生まれたマーガリン。コーン油やフラワー油など植物油脂で作られ種類も豊富に出回っていますが、香りや風味はバターにかなわないという人が多いようです。
バターは充実した食品。カルシウム、ビタミンA・Dに富み、特にビタミンAは自然食品の中でトップクラスの含有量を誇っています。ビタミンA(レチノール)といえば肌をイキイキさせる美容効果が認められ、高級化粧品にも使用される注目の物質です。おいしくてキレイになるのですから、食べなきゃソン!さらにバターの脂肪酸は体力を回復させる優れたエネルギー源。ちょっと見直してみる価値がありそうです。
保存には温度と酸化に注意して、密閉容器に入れて冷蔵庫で保存してください。賞味期限は冷蔵で開封前なら約6ヶ月、開封後で2週間程度。冷凍すれば開封前で約1年は大丈夫。使いやすい量に小分け(16等分すれば1片大さじ1)して冷凍すると便利です。手軽に使っておいしくヘルシーな食生活を楽しんでください。
2500年前、マケドニアのアレクサンダー大王が
インドで見つけたサトウキビ。
甘く魅力的な砂糖は瞬く間に世界に広がりました。
焼き色から食感にいたるまで、
お菓子づくりに欠かせない砂糖の力。
もしも、砂糖を使わずにお菓子を作るとすると、純正自然の材料だけではとてもむずかしくなります。
砂糖は甘い味をつけるばかりではなく、お菓子づくりに必要ないろいろな力を持っているのです。 そのひとつが水と結合しやすいこと。
たとえば、メレンゲを作るとき、卵を泡立てながら砂糖を加えると、きめ細かいしっかりとした泡になります。これは、砂糖が水分を引きつけて、卵白の余分な水分を取り去るからです。ジャムやマーマレードを作るときにできるペクチンも、砂糖が水を抱え込んでくれるのでやわらかなゼリー状になります。食品から水分が取り去られるので防腐効果や酸化防止効果にもつながります。
プリンのぷるんとした食感にも砂糖がかかわっています。卵や牛乳のタンパク質の固まる温度が、砂糖を加えることで高まるので、なめらかな口あたりになるのです。
さらに、ケーキやビスケットの焼き色をつけたり、イーストを発酵させたり、砂糖はお菓子を作る上で欠かせない重要な素材となっています。
カロリーもデンプンと同等。
上白糖、グラニュー糖、三温糖、和三盆、黒砂糖、ザラメといわれる白双糖(しろざらとう)…など、砂糖にはいろいろな種類があります。原料はサトウキビやサトウダイコン(テンサイ)。古来から愛される純正自然の安全食品です。
気になるカロリーですが、1gあたり4kcalと、デンプンなどと同じ。砂糖は太ると考えがちですが、特別にカロリーが高いわけではなく、運動などで消費すれば問題はありません。
覚えておきたいのは、「ノンシュガー」や「シュガーレス」という言葉の意味。これらは「カロリーゼロ」をさしているわけではありません。糖類の含有量が100gあたり0.5g未満であればこのように表示ができるのです。また、「砂糖不使用」と表示されたものでは、砂糖以外の糖質を使っていることがあります。
カロリーを気にするあまり砂糖抜きのお菓子を選んでも、あまり意味がないということになります。
エネルギー補給にも。
登山やハイキングなどにキャンディやチョコレートを携帯してエネルギー補給することはご存知でしょう。砂糖は体内で消化されるとブドウ糖となり、すぐに元気の出る即効性のエネルギー源となります。疲れをとるのにも不可欠。スポーツの後などお菓子を食べると砂糖が筋肉にたまった乳酸を分解してくれます。
ケーキとお茶のティータイムは午後3時ごろ。人間は頭や体が疲れてくると甘い物がほしくなります。欧米のホテルでは枕元にチョコレートがおかれていることがあります。寝る前の糖分はリラックス効果が高く、安眠を促してくれます。甘い物を食べるとしあわせな気分になれるのは、砂糖が疲れをとりリラックスさせてくれるからです。
さらに驚くことに、砂糖は頭の働きをよくします。砂糖から得たブドウ糖が脳の働きを活発にし、学習効果を高めてくれるのです。試験の日の朝食にはマーマレードやジャムをたっぷり塗ったトーストがおすすめ。朝食はコーヒー1杯という人も、そのコーヒーに砂糖を入れ、ビスケットを1枚かじるだけで頭の回転がよくなるそうです。
シーンに合わせて適量をとると驚くほどの効果を発揮する砂糖。その力を見直して、もっとおいしい幸せを楽しみましょう。
江戸時代より日本人の健康を作ってきた卵。
おいしいお菓子を焼きあげるばかりではなく
最近では新しい効果もわかってきて、
よりいっそう脚光を浴びています。
ボケ防止やがん治療にも。
卵に含まれた希少物質が注目されています。
新たに注目され始めているのは、卵黄のリン脂質の主成分であるコリン。神経伝達物質アセチルコリンの原料で、これが脳を活性化し、記憶力や学習効果を高めてくれるのです。アルツハイマー病やボケ防止の特効薬としても期待されています。卵はこのコリン含有率がもっとも高い食品なのです。
また、卵白には風邪薬のもととなるリゾチームが含まれています。卵が何週間も日持ちするのはリゾチームが細菌の力を奪ってしまうからで、あのエイズウイルスも抑制するといわれ反響を呼んでいます。さらに、肝臓を守るとか、カラザに含まれるシアル酸はガン治療に効果があるとか、卵の驚くべきパワーが次々に明らかにされています。
90年前の実験によるコレステロールの誤解
とはいえ、卵のコレステロールを気にする人は少なくありません。この不安をあおりたてたのは、1913年にロシアで行われた実験結果。ただし、この実験に使われたのは草食動物のウサギで、コレステロールに反応しやすかったのです。ヒトは肉も野菜も食べる雑食なので、この結果はあてはまらないとするのが現在の定説。毎日4個以上卵を食べてもコレステロール値はそれほど高くならないというデータもあります。悪さをするのは飽和脂肪酸のミリスチンで、これがかかわるとコレステロールが必要以上に増えて血中に流れ出て、動脈硬化などを引き起こします。
卵にはこのミリスチンはほとんど含まれていません。それどころか卵白に含まれるアミノ酸シスチンにはコレステロール値を下げる効果さえあるのです。
血液の循環をよくする働きもあるので、”朝食に卵料理”は、理想的な1日のスタートといえます。
純正自然の卵の力
お菓子づくりに卵は欠かせません。ふわふわっとした生地ができるのは卵から。そのカギは泡にあります。
卵白のタンパク質には、表面張力を弱くする作用があり、攪拌すると空気を抱き込んで泡立ってくる「起泡性」という性質があります。また、「空気変性」といって、空気に触れると変性を起こして膜状にかたくなり、泡立った状態を保持する性質もあります。
このため気泡は安定し、メレンゲができあがるというわけです。この泡が膨脹することによって生地はふんわりと焼きあがります。魅力的な食感を作るには卵白をよーく泡立てることが重要です。ユーハイムでバウムクーヘンをつくるときに採用しているのが、「別立て法」といって卵白と卵黄を別々に泡立てて最後に合わせる方法。手間と時間がかかりますが、卵の特性をいかした方法なのです。
一方、卵黄には「乳化性」といって、水と油を分離せず混ざりあった状態にする性質があります。これにはレシチンという、脂肪酸・グリセリン・リン酸・コリンの4つの部分からなる脂質が関係しています。脂肪酸は油と親しみやすく、コリンは水に親しみやすい性質。つまり油と水の両方をひきつけるわけで、お菓子の中では卵白などの水分とバターなどの油分をうまく混ぜ合わせ、しっとりとした口どけの良い食感をつくります。
体にいいし、お菓子にもいい、卵。卵の持つパワーが、ほんとうにおいしいお菓子をつくりだしているのです。
